実在しない峠だが、福井県最難関の林道に存在する尾根越について紹介したい。
なぜなら、この道は単なる林道だからである。要するに昔から人の行き来があったわけではない。だから峠マニアに縁が無いわけで、なるほどサイト検索でも和佐谷は殆ど出てこない。
ちなみに林道が通っているのは早稲谷という急峻な谷間である。蛇足ではあるが、早稲谷で検索しても殆ど紹介されていない。地図には伊勢峠の脇道としてはっきりと記されているのだが。
今回のルートは伊勢峠付近から和泉村へ抜けるコースで、伊勢峠から下界へ戻ろうとすると九頭竜湖に出るか、真那姫ダムに出るか、さもなくば和佐谷線を下るしか手は無い。九頭竜湖から国道を下って大野方面に出るのは、交通量から考えても億劫なので、せっかくの奥越を満喫するために、あえて茨の道を狙うことにした。
入り口はゲートで封鎖され、関係者以外立ち入り禁止の看板が立ててある。しかし、ゲートは開いていたので、気にせずに入山してみた。最初のうちはまあ普通の林道、少し寂れてはいるがタイヤが空回りするような激坂ではない。
(上の写真の辺りで標高750mくらい。林道入り口より500m程入ったところ)
さて、この林道、次第に勾配がきつくなってきます。しかも見晴らしの良い斜面は、必ずと言っていいほどガレ場と化していて、気を抜くことができなかった。
(ここの勾配は写真の通り)
標高は800、900とどんどん上昇し、遂には1100を突破。最後に山の尾根を越えたところ(峠のようなところ)では標高1151m(手元の高度計)と、RMR史上福井県内では最高標高を記録した。
(ここは山の尾根)
ここから和泉村になるのだが、福井最強のダート道が我々を待ち構えていた。
(峠から見た和泉村方面の景色。蛇行した林道が延々と続く)
では和泉側はどうかというと、最早トライアル一歩手前のような崩落地帯。延々何キロにも渡って続くので体力的に大きな負担となった。ちなみにこれが和泉側から見た早稲谷峠である。
ようやく舗装路となったところで終点となる。
(和佐谷線とある。ということは「わさだに」が正式名なのか)
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