県道140号線は、R8を敦賀から滋賀県塩津方面に向かって途中から分岐して入る道だ。殆ど高速道路と並行して走っているため、まるで側道のような雰囲気だが、所々で旧北陸本線の名残が見受けられる。
一方、刀根越は滋賀県側では倉坂峠と呼ばれていて、実は深坂、木ノ芽と並ぶ福井の3古峠である。
刀根越の滋賀県側入り口もなぜか柳ヶ瀬トンネルの場所だと信じ込んでいたが、実際の刀根越はトンネルを木之本側に1キロ程下った柳ヶ瀬地区に存在する。
この集落には365号線のすぐ脇にあるので、入り口を間違えることはまずないだろう。
ちなみにこういうロケーション。石碑のお隣さんは廃屋で、365号線から柳ヶ瀬地区に入って直ぐのところになる。
さて、峠旧道の滋賀県側入り口には、写真のように「右えちぜん かが のと道 左つるが 三国ふねのりば 」 と自然石に刻まれた道標が建っている。これは明治初年国鉄柳ヶ瀬トンネル掘削の時工事長、長谷川謹介氏が建立したそうだ。この道標に書かれた左の道(右はもう無い)が倉坂峠、俗に刀根越と呼ばれてきた道である(余呉の郷土史家 白崎金三氏の話)。
この道を進むと久々橋という小さな橋を越えて、さらに100メートルほどで旧道に入る。所々「玄蕃尾城→」と描かれた標識が掲げられているので、山道とはいえアクセスは簡単だ。しかし、さすがに旧道、平均斜度は悠に15%を越える激坂だ。
(走れないことはないかもしれないが、無理しないように)
何とか自転車を押したり担いだりしているうちに、2キロ程登ったところで峠らしい場所に到達。標高は手元の高度計で380メートルくらい。ここからもう数百メートル登れば玄蕃尾城址に行くことができる。
敦賀方面に少し下ると、お不動さんと思しき祠が静かに祀られていた。
福井県側の旧道は、普通の林道に変わり果てて今では見る影も無い。そして林道の出口が柳ヶ瀬トンネルとなる。この峠、登ってみるなら断然滋賀県側の方が楽しめる。自転車でのアクセスはともかく、軽い散歩気分で登るのがお勧めです。
(戻る)
地図へリンク