新トンネルができて、池田町と越前市の往来はかなり簡便化された。
昔車とのすれ違いで苦労した清水谷トンネルも、今では全くのマイナー道となってしまった。

ちなみにこれが旧トンネル(昭和5年完成)。

(かなり古いです。不気味です。)

でもこれを上回る旧トンネルがあるのだ。

では、旧トンネルとはどんなトンネルなのだろう?春日野トンネルみたいな文明開化の色濃く残る近代建築様式だろうか。それとも...

旧トンネルに行くためには、清水谷トンネルから500メートル程今立側にある旧道へ分岐しなければならない。この道は激坂ながらも結構手入れが行き届いているのでアクセスは意外と簡単。

新清水谷トンネルを眼下に見ながら林道の奥に進んでいくと、突如として左手に岩をくり貫いたような洞窟に遭遇する。それこそが彼の旧トンネルである。

これがトンネルと呼べるのだろうか?

(トンネル自体は結構背が低い。上から雪解け水が止め処なく流れ落ちていた)

旧トンネルは人の行き来した形跡は全く残ってはおらず、カメラのフラッシュを焚いてもご覧の通り、向うがどうなっているのかも判らないほどの不気味さを呈している。これは廃道マニアにはたまらないスポット。
(注記:「峠のルーツ」(杉本喜寿著)によると、本隧道は全長134間(1間は1.82メートル)というから200メートル近い長さ。行啓記念事業(皇族の外遊)として、明治43年秋に開通したとのことである。蛇足だが当時、明治天皇は籠に乗って周遊したそうだ。)

(少しだけ足を踏み入れてみたが、ズブズブと沈んでいくだけなので怖くなってやめた)


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