若狭三方五湖から小浜にかけて、至るところに存在する若狭自然遊歩道の案内板。以前、三方五湖周辺では荘厳な景色を満喫できたこともあって、田烏でも同じような佇まいを想像していた。全長981メートルの食見(しきみ)トンネルを抜けるか、全長9キロにわたる獅子ヶ崎の自然遊歩道か、我々のアクセスポリシーをご存知の諸兄であれば、当然後者を選んだこともお分かりいただけるだろう。
しかし、この選択は後々、我々に禍根を残すことになった。
田烏から大浜までのアクセスは、緩い上り坂ながら交通量も少なく至極快適な道で、海に突き出ているせいか気温も少し高め。小浜では蕾だった桜も、ここではすでに数輪が開花していた。大浜少年自然の家は想像以上に大きく、遠目で見た限りでは南仏プロヴァンス地方のような雰囲気を醸し出していて、国立の宿泊施設としては及第点レベルだ。
さて、表題の若狭自然遊歩道だが、この少年の家が起点となっている。なぜか入り口は閉鎖されていたが、ロープの向こう側は程度の良いダート道が続いている。当然ここに来たのは初めてなので、我々は単に"冬季閉鎖"のためにロープを張ってある程度のものと考えていた。

ところが遊歩道を僅かに入ったところで20%を遥かに越える激坂の連続。歩行者向けなら階段を設けたほうがいいくらい。しかもお約束の土砂崩落があって通行不可能に。無理して越えたまでは良かったが、辺りは完全な無人地帯になった。土砂崩れから1キロほどのところにバンガローが出現。なるほど以前はこの道を使って物資を運んでいたのだろう、激坂なのに階段が無いわけがわかった。
バンガローから100メートル程のところに黒崎の展望台がある。展望台を越えた直後に
「土砂崩落のため通行禁止 〜佛教大学」
と記された看板とロープ柵が張られていた。ってことは、歩いても渡れないってわけ?

意気消沈… でも、折角ここまで来たのだから、目の前にある土砂崩落くらいは拝ませてもらいますか。といったノリで進入した途端に、枯れ木と落石、抜け落ちた鹿の角などが散乱する悪路に変貌した。悪戦苦闘の末、獅子ヶ崎から1キロくらい進んだところで、遠目でもわかる大きな土砂崩落を発見。木立が邪魔で写真は撮れなかったが、崩落幅は50メートル強で抜け道が無いのは明白だった。残念だが、つまらぬ遭難騒ぎを起すわけにもいかないので、泣く泣く来た道を引き返すことにした。たかが数キロの距離だったが、2時間近く時間を無駄にしてしまった。
ところで、鹿の角がたくさん落ちていたのだが、あれって漢方薬になるんでしたっけ?
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